バトン
引き続き、『万葉集を歩く』より。
舞台は大和を離れ、近畿へ。
住吉大社の項。
「航海の神として古来尊崇され、遣隋使や遣唐使はここで祈願し」、
「船に住吉神を分祀した」。
前半は、もちろん知っていたこと。知識としてあったこと。
けれど、遣唐使を再開するしないという論議、遣唐使経験のある者が話をする場面を読んだ後では、また異なって見える。
そして後半部分に至ってははじめて知ること。
つまり遣隋使・遣唐使一行は、常に住吉の神様と共にあったのだ。
「古来、住吉の神は海の神・航海守護の神であった」
この言葉が、ありありと実感を持って迫ってくる。
今を起点に昔を眺めることで、今が、未来が変わる。
そして、いにしえのひとからのバトンについて改めて思いを致すのだ。
いにしえのひとの想いをたどりに、
「おし照る難波」から「そらみつ大和の国」へ上っていこう。
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