東の
野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ
そもそもなぜ『万葉集を歩く』を借りるに至ったかと言うと、「阿騎野」というページにある。
以前にも書き記したとおり、万葉集との接点は里中満智子先生によるものであって、柿本人麻呂がこの歌を詠んだシーンがとても印象に残っていたからだ。
いくつか暗誦している歌のうちのひとつ。
「あの」阿騎野は奈良県宇陀市にあるのかと、ひとつひとつ現在と紐づけていく。
例えば石上神宮にも人麻呂の歌碑はあるし、
石上 布留の神杉 神さびし
恋をもわれは 更にするかも
という歌を残してもいる。
毎月訪れている「あの」石上神宮、そこを人麻呂もまた訪ねていたということの、確かな証だ。
1300年前と現在は全く断絶していない。
(一方、1300年も経つと神として「再会」もするのだ。生田神社には「人丸神社」という社がある)
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